インタビュー形式の本
古市憲寿が12の「古典」についてそれぞれの専門家の話をきく、という内容で、まあ専門家の話すことはふつうに勉強になるのだが、巻末の古市の各古典に対する「寸評」があまりにもひどい。
以下のような具合である。
『源氏物語』
光源氏が主人公の、きらびやかな前半が人気少女漫画だとするならば、大塚ひかりさんおすすめの『宇治十帖』はユーロスペースで上映されていそうな方がである。とにかく登場人物が不器用でながされやすい。物語としての強度は前半に負けている気もするが,1000年前に書かれた作品だと思うと、事情は変わってくる。時代が変わっても不変な価値観、当時の死生観など、読みどころは多い。個人的に気になったのは、極楽往生の基準が、あまりにも厳しすぎる点である。
『相対性理論』
アインシュタインの原論文は、ネットで簡単に見つけることができる。ただしドイツ語で書かれている上に、多数の数式が登場する。ここからは、二つの選択肢がある。一つは『原論文で学ぶアインシュタインの相対性理論』(ちくま学芸文庫)や『相対性理論がわかる』(技術評論社)などを読みながら、きちんと数式に向き合うこと。もう一つは、ざっくりと全体像さえ理解できればいいと割り切ること。前者を選べば、『時空』なるものがイメージできるようになるらしい。
『古事記』
個人的に好きなのは、オオクニヌシとスセリ姫の物語。女性の力で男がトントン拍子に成功していくという、まるで島耕作のような筋書きだ。スサノオの出す無理難題に対して、スセリ姫が裏で解決策を提示、のんきなオオクニヌシが信頼を勝ち得ていく。全体を読むなら三浦祐之さんの口語訳がいいが、まずは児童書として前半をまとめた橋本治版からはじめるのが最も挫折しにくい。
個人的に気になったのは、極楽往生の基準が、あまりにも厳しすぎる点である。
↑だからどうしたとしかいいようがない。
前者を選べば、『時空』なるものがイメージできるようになるらしい。
↑心底呆れてしまった。自分が副読本としてあげた本を読んでいないらしい。
まるで島耕作のような筋書きだ。
↑島耕作のような筋書きを読むくらいなら単に島耕作を読めばいいだけである。本の説明としては0点以下。
きりがないのでこれくらいにしておく。
いらいらしたので書いた。