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まつたけ大王のブログ

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”RRR”の感想


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話題になっていたRRRを映画館に見に行ってきました。映画館にいくのはおそらく5年以上ぶりです。僕の質問箱に数年にわたって質問を送り続けてくれるやばい人がいるのですが、その人が1000円分のアマギフをやるから映画を見てレビューしてくれというので見に行くことにしました(どんだけ見せたいんだよ・・・と軽く呆れもしますが)。茶化してるだけだと思っていたので、コードいれたら本当に1000円分チャージされた時は感動しましたねぇ。
 
この映画、かなり面白いと話題になっていたので僕も”ナートゥ”のキレキレの踊りだけは知っていましたが、それ以外の情報はない状態での鑑賞となりました。結論からいうとこの映画はおもしろいです。”ナートゥ”の陽気さからは想像できないほど血生臭い内容でしたが。3時間が長く感じない程度にはおもしろかったです。
 
この映画の舞台はイギリス植民地時代のインドです。
美しい歌声を持つがゆえに白人に強奪されてしまった妹を救い出そうとする”ビーム”(通称:羊飼い)。羊飼いを見つけ出し、イギリスの警察で出世することで多くの武器を手に入れインド人を蜂起させることを目的とする"ラーマ"。二人の主人公がいます。
両者ともイギリスにたいしては恨み骨髄ですが、目的は異なります。それゆえ"敵の敵は味方"ということにはならず、むしろ敵対することになってしまう、という一筋縄ではいかないシナリオになっています。
二人は最初それぞれの目的を果たすために生活していましたが、ある日、少年が鉄道事故に巻き込まれてしまいます。それをツッコミどころしかないコンビネーションで救出し、それがきっかけで二人の主人公は親友となります。
しかしビームが羊飼いだと知ったラーマは葛藤の末にビームを捕らえます。妹を救出するためにイギリス人を殺しまくっていたビームは処刑される前の余興として跪いて許しをこうまで鞭打ちたれることになりました。鞭を振るうのは親友だったラーマです。かなり痛々しい場面なのですが、インド映画の必要ノルマといわんばかりに、なぜか鞭打たれながらもラーマは歌い始めます。そして意地でも跪かないんですね。結果的にそれが聴衆の心を動かしたのでしょう。暴動が起こり晒し刑はお開きになります。
で、ラーマですが、羊飼いを捕らえたことで当然出世しており、武器庫番をする権限も手にいれました。しかし、手に入れた武器をイギリスへの反乱分子に行き渡らせるという当初の目的を達せられる。。という直前で処刑される予定のビームを助ける方針に変更します。ビームが不屈の信念で聴衆の心を動かすのを目撃し、武器になるのは銃だけでないと悟ったからです。唐突にも思える歌にも作劇上の理由があったという意味で、なにかあればすぐ歌う(と思われがち)なインド映画に対する一種の批評性を見出せないこともありません。
結局ラーマはビームとその妹を逃亡させることに成功しますがそれが原因で逮捕され、裏切り者の汚名も晴れないままという踏んだり蹴ったりな状態に陥ります。
ここからがクライマックスです。ビームは逃亡生活の最中ラーマの婚約者と偶然(都合良すぎぃ!)出会い、真実を知りビームを助け出し二人で共闘してイギリス人を殺しまくり、故郷に戻り大団円を迎える。。。という結末でした
 
 
この映画に関して少しひっかかった点がありました。一つは非暴力・不服従の路線で行くのかな、と思った全然そんなことはなくイギリス人を殺しまくって決着をつけたこと。インドはガンジーの唱える非暴力・不服従の思想で独立を果たした国ですから、これはある意味で自国の歴史を否定するようなシナリオです。もう一つはなぜ今になって植民地時代のインドが舞台なのか、ということです。が、これらの疑問は今なお続く帝国主義に対するアンチテーゼと考えればわかりやすいかと思います。
 
哲学者のヘーゲルは歴史は弁証法的に発展していくと考えました。いまは良くなくても少しづつ良くなっていくだろう、という程度の意味です。これを理性の狡知といったりします。ヘーゲルにとっては戦争も弁証法のプロセスに過ぎません。ヘーゲルがナポレオンをみて『絶対精神が馬に乗っているのを見ました』と感想を述べたのはそのような文脈においてです。
以上の議論を踏まえて政治学者のフランシス・フクヤマは1989年に歴史の終わりという論文を発表しました。曰く、民主国家が成立し安定が築かれた後は戦争のような歴史的大事件は起こらないだろう。。。
もちろんこれが大嘘だということは歴史が証明しています。イスラム圏と西欧諸国の対立もありますし、現在はロシアとウクライナが派手に戦争をしています。
この映画が作成されたのは2018年11月からで撮影が終了したのは2021年8月とされています(コロナの影響で公開が延期されていたらしい)この時点ではロシアのウクライナ侵攻は始まっていませんが、『歴史の終わり』が言われるようになってからもアメリカのイラク侵攻があったりしたことを考えると反帝国主義の意図を持って映画が作られたとしてもおかしくはありません。実際にロシア・ウクライナで戦争が行われている今、帝国主義にたいして徹底抗戦するという内容の本作がアクチュアリティを持ち得たことが世界的なヒットにつながったのかもしれません。
まあ人類を抹殺できる程度の核がこの世に存在することを考えるとやられたらやりかえすというやり方は間違ってると個人的には思いますが。。。娯楽なのでそこまで考えてもしょうがないです。非暴力だけでは映画にならない。
 
映画とは全然関係ない話
この映画がやってる映画館は行ったことないところにあったので原付に乗ってスマホで地図を見ながら行ったんです。
で、スマホ取り出して地図見ようとしたらスマホがない。
来た道もどってなんとか発見できましたが表も裏も割れてしまいました。最悪としか言いようがありません。表面と裏のカメラは治せましたが13000円かかりました。裏面はパーツがないのでバキバキのまま。
不運はこれだけではありません。帰るため原付に乗ろうと思ったらシートにタバコを押し付けられた跡が。。本当に喫煙者はクズですね。。。苦しめて殺したい。器物損壊で警察に被害届をだしました。刑事事件なので結構真摯に対応していただきました。現場にわざわざ戻って写真撮ったりね。まあ犯人見つからねーだろうけど。。。本当死ね
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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