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宗教と自由


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2020/10/19 
 オウム真理教が「アレフ」や「光の輪」などに分派して現在も活動していることは知っていたが「山田らの集団」という後継団体があることは知らなかった。なんとも脱力してしまうような名前だが30人ほどの信者がいるらしい。
 オウムとは関係がないがリトルぺプルという宗教団体が秋田にある。教義に従い儀式として男女がセッックスをするという過激な一面が雑誌などでセンセーショナルに取り上げられ、youtubeにも取材動画があるためご存知の方も多いと思う。動画で信者の姿を見ると明らかに「異常」だという印象を受ける。無論のこと正常ー異常の区別は文化に規定されているだけに過ぎず、リトル・プペルの「異常性」は相対的なものだが、基本的に大多数の人間はこの教団が異常だと直感するだろう。ちなみに代表のジャン・マリーが言うには、総本山のカトリック教会は彼のことを殺したいらしい。
 社会学の定義によると、宗教とは世界の創造の意味や神の存在などの合理的に説明できないものに説明を与える体系ということになる。この定義に従うと、オウム真理教は「千年王国」を築き上げる過程での選ばれしものとしての役割ーすなわち意味ーを信者に与え得たという意味で優れて宗教的だったといえる。リトルぺプルにおいてもセックスをすることで説明され得るような「意味」があるのだろう。しかしこのようなありかたは認識への意思を放棄しているに過ぎないと思う。

 

 
 ちなみに私にいわせればビジネス系youtuberを崇拝している人は本質的にオウムの信者と変わるところがありません。「成功者」の人たちは、成功するには法則があり、その法則を応用すれば成功できると主張しますが、これは原因と結果を取り違えています。「成功者」は成功という結果から振り返って、このようにしたから成功した、というふうに語りますが実際は成功した要因はあまりに複雑に絡まりあっているため認識できないはずです。なので「成功者」が語る成功法則は多分にバイアスがかかったものであり、こうすれば成功できる、というような一般化はそもそも無理でしょう。本当に成功法則が絶対的なものなら数十万人ほどいるビジネス系youtuberのチャンネル登録者たちはみな成功者になるはずですが、そんなことはまずないでしょう。オウムやビジネス系youtuber(ここに幸福の科学を加えてもいいです)の信者に共通しているのは原因から結果がうまれるという単純な認識の仕方においてだが、この人達が原因だと思っているものにもまた原因はあるはずであり、それにもまた原因はあるというふうに無限に原因を遡ることができます。するとスピノザがいったとおり人間には自由意志がないということになりますが、それは事実そうであり、自由があるとしたら、人間には自由意志がないということを認識することによってのみです。「信者」の人たちはこのことを理解していない。もっと進むべき道のはるか手前で立ち止まり安心してしまっている。これは自らの自由を認めず因果律に屈服するということです。その点でオウムの信者もビジネス系youtuber及び幸福の科学の信者も、後者はサリンを撒いたりしないということは別にして、本質的には同じだということです。

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